R/V Mirai: 沖合にて(その2: 渦)

 昨夜から、東へ向かう「みらい」を追い越していくような降雨帯が幾つか観測されています。そのうちの1つにおいて、レーダーが、直径2km程度の強い渦巻のようなパターンを捉えました。
 左はレーダー反射強度(雨の強さの指標)、右はドップラー速度(レーダー=「みらい」からみた方向の風)です。「みらい」は青矢印の方向に位置していました。(速報画像の手作業での拡大なので見づらくてごめんなさい)。ドップラー速度(左図)に、赤い部分すなわちプラスのピーク(「みらい」から遠ざかる方向の強い風)と、水色の部分すなわちマイナスのピーク(「みらい」へ近づく方向の強い風)がペアが見られており、これは直径2kmほどの時計回りの渦と考えられます。また、レーダー反射強度ではこの近辺に凹んだパターンが見られています。
 こういう分布パターンは強い渦を示しており、その中では竜巻が起こっていることが多いようです。今回は夜間、しかも「みらい」から20kmほど離れた場所での出来事なので、竜巻そのものを見ることは叶いませんでしたが……
 2年前の観測では、スマトラ島から50kmの場所で、多くの竜巻を目撃しました。陸が近く、陸上のような強い雨が降るからなのでは、と考えていましたが、今回はスマトラ島から500km以上も離れた沖合、しかも沖合側からやってくる降水帯の中です。どうしてここで、こんな事が起きていたのか?今後の解析が楽しみです。

(reports by M.K.)