使われています!

「みらい」からラジオゾンデ放球テストのブログがありました。その後、3時間ごとの連続観測も開始しています。概要ページにも記してある通り、今回は「みらい」観測に合わせて、フィリピンのレガスピ、パラオのバベルダオブ島、ミクロネシア連邦のヤップの3点でも、通常1日2回行われているラジオゾンデ観測を6時間ごと、1日4回、現地機関の協力を得て実施する計画です。このうち、パラオとヤップが8月6日からこの強化観測をスタートさせています。
「みらい」のデータと合わせて、積雲対流の発達過程を調べるために使うのですが、同時に速報データが、GTS(Global Telecommunication System;全球通信システム)と呼ばれるネットワークを介して世界中に配信され、特に、天気予報の初期値データとして使用されます。観測データを数値モデルに取り込み、数値モデルの値をより現実的な値にすることをデータ同化と呼び、この過程で初期値データが作られます。添付の図は、イギリスにある欧州中期予報センターのウェブサイト(http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/monitoring/dcover)からダウンロードしたもので、強化観測を始めた2020年8月6日06時(世界時、日本時間の午後3時)とその6時間前の6日00時(日本時間午前9時)、さらには2日前(8月4日)の06時(日本時間午後3時)、それぞれの時間に、彼らのデータ同化に使用したラジオゾンデ観測点を示したものです。日本の南の海上に、3つの赤い点を確認することができるでしょうか? 日本の気象庁を始めとして、一般にラジオゾンデ観測は1日2回(世界時で00時と12時)行われ、06/18時の観測は多くありません。1枚目と2枚目を比べるとその差が容易にわかります。また、観測開始とともに、早速我々のデータが使用されたことも1枚目と3枚目の比較でわかります。
   この図はあくまで欧州中期予報センターの結果ですが、実は今日皆さんが見た・聞いた天気予報には、「みらい」や南の島々で取得されたデータが使われていたかもしれません。現在、新型コロナウイルス禍により、航空機(でも気温など測定しているのでそのデータが使われています)の運航が極端に減少し、観測データも減っています。そんな中、これからの台風シーズンに、我々のデータが少しでも補填して、予報精度維持に寄与することも今回の観測の意義です。(KY)

手放球練習

いよいよ明日から「みらい」MR20-E01航海のラジオゾンデ集中観測が始まります。

ラジオゾンデ観測は、気象センサーが取り付けられた風船を上空に飛ばし、雲・降水
活動に関わる大気環境場のデータを地上から高さ〜20kmまで取得します。

普段はラジオゾンデコンテナ内から機械によって風船を飛ばしますが、悪天候などの
場合手動で風船を飛ばすこともあります。本日の午後は、集中観測準備の一環とし
て、手動放球の練習を行いました。

「みらい」周辺に雲・降水活動が活発化になり、ラジオゾンデ集中観測を待ちに待っ
ているようです。

ARGOフロート投入

出港して5日目になりました。航海に初参加の筆者は毎日、船酔いに苦しんでいるところです。乗船している他の皆さんが平然としているのが不思議でなりません。

さて、昨日はARGOフロートの投入作業がありました。ARGOフロートは海洋を海流にのって移動しながら、プログラム通りに下降、上昇を繰り返して海水温などのデータを取得します。そして、取得されたデータはARGOフロートから衛星を経由して陸上へ送信されます。ARGOフロートは投入された後、数年ほど動作し続けるということです。

ここからARGOフロートはどこかへ戻ることもなく、誰かに回収されることもなく、海洋を漂っていきます。そう考えると何だか寂しいようにも感じられます。それでも、ARGOフロートが取得したデータは、世界中の研究者が大気海洋の現象を解析するのに役立つのだから、それで役割は十分に果たせるのだろう、とARGOフロート投入の作業を見ながら思っていました。

(SS)

「みらい」航海開始!

前日までの梅雨空とはうって変わり、今日は朝から良い天気となりました。東海地方や関東甲信地方では梅雨明け宣言もなされたそうです。

そのような、天候の季節進行としては節目の日の朝9時、研究船「みらい」は静岡市の清水港から出港し、一路、西部熱帯太平洋へと航走をはじめました。YMC-BSM 2020集中観測の要、「みらい」MR20-E01航海のはじまりです。

本航海では、パラオの北方海域に約1ヶ月間滞在して大気・海洋物理観測を行い、雲活動や海洋構造、大気海洋相互作用に関するいろいろなデータを取る予定です。

7月は、台風がひとつも発生しないなど、西部熱帯太平洋では雲活動があまり活発ではない月でした。その間、雲活動をもたらすエネルギーが使われずに蓄えられ続けたことになります。この蓄えられたエネルギーが定点期間中に解放されて雲活動が活発化するのではないか? そうすると、興味深い現象をたくさん観測で捉えられるのではないか? と今から期待が膨らみます。

航海は、もちろん安全第一です。特に今航では、新型コロナウイルス感染症が収束の兆しをみせない現状を受け、感染症対策にも万全を期して観測に臨んでいきます。

(SY)