YMC-CSO2021強化観測が無事終了しました

昨日の夜中、3/8 18Z に最後のラジオゾンデ放球が行われ、全日程が終了しました。

インドネシア国内においても、コロナ禍による様々な障害があり、少なからず観測実施にも影響がありました。

そんな困難な中でも、現場のスタッフは、最後まで素晴らしい仕事を懸命に続けてくれました。

史上初めてのリモート観測で何一つ正解も経験もない中、それぞれの持ち場で動いてくださり、本当に感謝しています。

苦労はたくさんありましたが、観測対象としていたコールドサージは、例年よりも数多く発生し、良いデータが取得できました。

これから、みんなで得られたデータを解析し、コールドサージと大気海洋相互作用、顕著現象発生の関係を調べていきます。

南シナ海における海面水温は、例年よりも1−2℃低く、2ヶ月で7回も発生したコールドサージの強化過程に影響があったと考えられます。

また、1/9や2/19には、コールドサージに伴って洪水を伴う大雨が発生し、その形成過程の解明は、インドネシアにおいて強く求められています。

IOPの序盤1/3が順調に遂行中

1/8から開始されたCSOの観測は、序盤の1/3が順調に実施されました。

今日は、現地スタッフから届いた映像を紹介します。

IOP開始直後から北風が強まり、雨または曇りの天候が継続していました。

動画で見ると風の強さが伝わります。

ジャカルタに設置されたGNSSの速報解析では、1/9の早朝に66mmというかなり大きな可降水量が観測されたことも確認されています。

茂木耕作

YMC-CSO2021の始まり始まり!

今日からいよいよYMC-CSO2021が始まりました。

今朝のゾンデ放球作業の写真・動画がBMKGのスタッフから送られてきました。

日本では、昨日、爆弾低気圧が通過し、寒気吹き出しが強まっています。

これから数日でインドネシアでもコールドサージの強化が想定されます。

最初からクライマックス!

茂木耕作

YMC-CSO2021が始まります!

ユーラシア大陸からの寒気吹き出しは、熱帯にまで届いて海大陸域の気候に影響を及ぼします。

強くなったり、弱くなったりという寒気吹き出しの変動は、コールドサージと呼ばれます。

JAMSTEC/DCOPは、海大陸域の国・インドネシアのBMKGとの協力により、コールドサージの強化観測キャンペーンをYMCの一環として実施します。

強化観測の期間は、2021年1月8日から3月8日。

この間、ジャカルタとパンカルピナンにおける高層気象観測を1日2回から4回に増強します。

さらに、ジャカルタでは、06Zの高層気象観測で、通常よりも大きなバルーンを用いて、より高い高度までのデータを取得します。

コールドサージは、地表面付近の下層風の変動である一方、それによって対流が発達すると様々な高層における波動が励起されます。

20km〜30kmの非常に高い高度での観測データを得ることによって、通常の観測では捉えにくい波動の構造を調べることが可能です。

さらに、ジャカルタには、GNSSセンサーを新しく設置し、10分間隔の可降水量データを取得します。

写真は、BMKGのスタッフが、センサーを設置している様子です。

これに加えて、私達は、BMKGの現業レーダーネットワーク、地上気象観測データを用いることができます。

準備には、たくさんの苦労がありましたが、BMKGの素晴らしいスタッフが見事な働きをしてくれました。

どんなデータが得られるか、とても楽しみです。

茂木耕作